海外転職・アメリカGAFAの内定取るまで~テックでの年収事情~

テック企業

前回はオファーをもらった時の話でした。本記事ではその時のオファーとGAFA(テック企業と言います)の年収事情について語ろうと思います。

また、本シリーズ「海外転職・アメリカGAFAの内定取るまで」の詳細は書籍の方にまとめているので、詳しく知りたい方は書籍の方を読んで頂けると嬉しいです。

書籍 Kindleリンク:

よくある質問

誰もが気になる年収の話です。日本ではタブーな雰囲気がありましたが、日本の外資系やアメリカでは比較的オープンだと思います。

「で、やっぱり年収はすごいの?」

「ぶっちゃけいくら?」

「ずばり2000万は超えた?」

といったことをほぼ全員の知り合いに聞かれました。書籍にしたタイトルでは目立つように5000万円としましたが、ここではもう少し触りを説明します。

オファーレターに記載の年収

僕がオファーレターを受け取った際に記載されていたジョブグレードやRSUの細かい説明を書く
とどの企業が特定されてしまうため、ここではLevels.fyi(過去記事参照)から近い年収の方が受け取ったオファーを例にします。会社によってRSUの仕組みやタイミングが異なってくるので、可能な限り整合性ある説明を心掛けました。


僕が受け取ったオファーレターです。

  • グレード:L6(Google)
  • Base:230k/year
  • Bonus:50k/year
  • RSU:640k/4 year
  • SB:25k/one time(サインボーナス。実際は0だったけど、国際リロケーションパッケージがこれに相当)
  • 合計440kドル。SBを含めると465kドルです。

オファーされた時(2021年)の円/ドルのレートがだいたい110~115円/ドルだったので、5150~5350万円の年収になります。書籍を執筆した時(2022年7月)は円安相場が強く~135円/ドルあたりなので、換算すると〜6278万円になります。ブログ開設時(2024年)では150円/ドルくらい?

国際リロケーションパッケージという移住に関わるサポートが貰えます。サポートはフリーで引越し費用、家族全員の飛行機費用(しかもビジネスクラス)、アメリカ到着後の1カ月の家などがもらえましたが、それに加えてSB(サインオンボーナス、入社時の一時金みたいなもの)として税制優遇されるキャッシュ25k$をもらえました。使わなかった分はキャッシュバックされます。そうそう、ペットも家族の一部なのか細かく記載されていました。

ちなみに家賃補助と通勤費手当はありませんでした。医療保険や死亡保障はアメリカにしては神レベルのものがついていました。日本の確定拠出年金相当になる401Kのマッチング拠出もかなりの額を出してもらえます。

脱線 | 日本円で語ってもしょうがないよね。。。

アメリカで給料をもらいアメリカで生活するということは日本円で考えてもしょうがないことを強調しておきたいです。物価や家賃もまるで違うので。よく「ラーメン3000円!寿司1万円!」とか、「アルバイトで年収2000万円!」とかの記事を見ましたが、それらは本当ですし、家賃も家族3人の古い部屋に4000$近く払っています。インフレーション率も違います。

年収の話をすると、手取り計算も気になるでしょう。アメリカは連邦税と州税の合計を考えます。日本とアメリカは両方とも累進課税ですが、最も州税の高いカリフォルニア州で計算しても、この年収レンジではアメリカの方が日本と比べて5%ほど安くなります。さらに日本は社会保険料がアメリカと比べて割高です。これらは手取りが増えるので嬉しい誤算でした。

RSUとリフレッシャー

さて、話をとても難しくさせているRSUに話を移します。RSUは変動しますしリフレッシャーと言って毎年追加でもらえる分もあるので、将来の年収予測は複雑なものになります。
※書籍の方ではグラフを用いて視覚的に分かりやすく説明しています。

RSUとは(Restricted Stock Unit)の略で、給料の一部(というか大半?)を株でもらいます。すぐにもらえる場合、すぐに売れる場合、頻度、期間などの条件が各社バラバラです。ここでは、在籍後すぐにもらえて、すぐに売れて、クオータ毎にもらえて、4年間の期間の場合を例に説明します。将来4年間に渡って在籍している場合に限り貰えることが決まることをグラント、実際にもらうことをベストと言います。

入社時にもらえるRSUをイニシャルRSUと呼びます。Googleの例では640K/4yでした。
また、毎年のパフォーマンス評価で決まるRSUをリフレッシャーと言います。目安はイニシャルRSUの4分の1ですので、160K/4yです。

これを毎年続けていくと、4年目までは年収換算でリフレッシャー分として40kづつ増えることになります(実際に増えます)。5年目でイニシャルRSUが無くなる一方で、4回分のリフレッシャーがあるので、1年目と同じくらいになります。この4年目から5年目にかけて下がることをクリフ(崖)と言います。毎年のパフォーマンスは人それぞれですし、昇進した場合や、また徐々にベースサラリーも増えていきます。それであっても5年目でガクっと年収ダウンする人が多くて、このタイミングで転職する人が多いらしいです。

もう一つRSUを語る上で欠かせないのは株価です。グラント時にその時の株価でもらえる株数が決まり、ベスト時にはその決まった株数(貰ったその日に株は売れます)がそのままもらえます。グラント時とベスト時の株の上下によって実質もらっている金額は変わります。実際にもらった金額相当で確定申告の収入・税金も決まります。繰り返しになりますが、入社時の株価から下がってしまった場合は四半期毎のベスト時にもらえる総額も減ります(泣)

2022年初来から2022年7月末にかけてのGAFA株価はどれを見てもマイナスであり、-15~-50%です。株価なので上下も激しいです。グラントされた時の株価からベストされる時の株価が下がっていると損してしまうわけなので、イニシャルRSUやリフレッシャーRSUのグラントのタイミングで瞬間的に株価が高くなり、その後のベスト中に下がり続けているのがとても損しているケースです。一方で、景気や業績にもよって4年以内に株価は2倍にも3倍にも(NVIDIAに至っては10~100倍?)なっていた時期もあり、年収の大半を占めるRSUが数倍変わることになります。株価の上下によって簡単にミリオネアになったり、ならなかったりするみたいです。

ということで、僕を含めて社員は株価をとても気にしています。

テック企業での年収事情はこれでおしまいです。次回は地獄のVISA手続きについて語りたいと思います。


コメント

タイトルとURLをコピーしました