海外転職・アメリカGAFAの内定取るまで~履歴書(CV・Resume)編~

テック企業

こんにちは。エンジニアのMikanです。ここでは海外(アメリカ)転職の履歴書(CV・Resume)について書きます。

さて、海外転職について友人に勧められてみた(前回記事)ものの、特に何の約束もなく、後から確認すると半分ジョークだったらしい。でもね、カリフォルニアの空って青いでしょ?良いよね、あの青い空、とゆるいモチベーションでダラダラと履歴書を書き始めました。気が付けば6カ月も過ぎていた。。。



最後の1週間ほど追い込みをかけて真面目に仕上げました。なお、アメリカでの仕事を探すきっかけとなった友人にはメールで送って、添削をしてもらいました。

ググるといろんな例が出てきますので、それも参考にしました。

ブログでは書き方のコツがつかめたので、みんなの参考になるように要点をまとめてシェアします。テンプレートや詳細は書籍の方に書きましたので、本気で書いてみようと思う方はそちらを購入いただけると嬉しいです。

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履歴書のことをCV、Resumeと言うみたいです。僕には日本での転職経験もありますが、日本の履歴書とアメリカのCVはまるで違ったので面白いです。フリーフォーマットでしたが、アメリカでの仕事においては、年齢、性別、妻子持ち、現在の年収、もちろん人種まで、それらは建前的には関係ありませんのでCVには記載しないそうです。面接中にも聞かれませんでした。また、顔写真も無しでした。採用側もこれらの情報によってマインドがバイアスされないようにあえて知りたくないそうです。とてもフェアで良いことだと思います!

さて、僕が考えたCVの戦略は次のような流れでした。
ページ数:メインとなる部分が2ページ以下、3ページ目以降は業績リストの羅列にし、頑張って4ページまで。これマジで重要です。短いほど良いです。日本の履歴書でも同じだと思いますが、とにかく簡潔にしました。無くても伝わる部分はひたすら削除・削除・削除です。
何度も自問自答して、項目はもちろん、順番にまで必要性を考えました。メインとなる2ページ目まではほぼ全ての項目が等しく重要だと思います。一方で3ページ目以降の業績リストは「何か行が並んでいるな~」くらしか見てもらえないでしょう。

CVのそもそもの目的を考えました。僕は2つだ考え、①まずは書類選考で通過するこ
と、②もう1つは面接中に面接官がこれらに目を通してくるため会話を弾ませることです。
この2つを相手側の立場になって脳内ロールプレイをしながら書きました。

僕の書いたCV4ページは次のようなものです。

1ページ目の半分まで

  • 名前 | 
    あたりまえだけど。名前はいるよね。Ph. Dはつけませんでした。持っているなら付けている人の方が多いと思います。
  • 専門分野、仕事の種類 | 
    募集にマッチしていること。あるいは途中でダメでも似たような募集にマッチしているか見てもらえます。
  • 大雑把な住所 | 
    県と日本だけを示しました。アメリカでは住所全部を書くのも一般的ですが、日本の長い住所を書いても意味ないかなと思い、大雑把な住所にしました。
  • 電話番号 | 
    リクルータとの連絡は電話が多かったです。きっと記録を残したくないようなこともあるのかと思います。あと電話面談の場合もあります。日本の番号を書くので、先頭の0を消して、そして日本の国番号である+81を書きましょう。
  • メールアドレス | リクルータとの基本的な連絡、Webミーティングや書類の受け取りなど。
  • SUMMARY| 
  • 2行で簡潔に。1行目は自分の職歴、スキルのまとめ。2行目はどんな仕事を探しているのか。企業ごと職務募集ごとにマッチするワードにそれぞれ変更すべし
  • SKILLS | 
    箇条書きで。Engineering、〇〇 Tools、〇〇 Instrumentsは募集にも記載されているようなキーワードを並べました。僕はライセンス/資格については一切記載しませんでした。それほど高難易度では無いですが、技術系の日本の国家資格(合格率20%くらい)も持っていたにも関わらず今回応募する仕事には関係無かったので書きませんでした。これは正解だったと思います。運転免許証や英検・TOEICなども当然書きません。このあたりは書いてしまうとむしろ落とされるレベルだと思います。

1ページ目の後半から2ページ目終わりまで

  • EXPERIENCES | 
    とても重要な部分です。英文作成はマジで心が折れそうになります。僕は何回も何回も書き直しました。とにかく簡潔に。重複しているものや重要でも面接中に主張するほどでも無い部分は勇気を持って削除しました。自分の経験から無くなってしまうような寂しい気持ちになりますが、面接時に有利にならないなら書いてもしょうがないと割り切りました。なお、募集に記載されている経験年数に対応している必要があります。年次は新しいものを上に古いものが下になる順番で書きます。自分が達成した業績になりますが、基本的に1行になるようにします。また、1行の中で「AAAによってBBB」、といった書き方にします。AAAは一部の専門家であれば分かるような技術的な用語、伝わるなら略語もOKです。極端に言うと多くの専門家が見たことあるようなキーワードが並んでいるだけでも良いと思います。達成したBBBの部分はなるべく誰でも知っている単語、曖昧な表現を避けた数字で書くように頑張ります。多少は誇張してもOKでしょう。例えば〇〇%小さくした、半分に短くした、コスト半分にした、などです。これであれば人事の人でも社内の専門家にCVを転送したくなります。要は書類選考を通過させるためです。ただし嘘はいけませんよ。その数字の根拠は説明できる必要があり、面接中に聞かれる場合があります。もしBBBを書くのが難しければAAAだけでも良いでしょう。
  • EDUCATIONS | 
    学歴です。ここでも年次が新しいものほど上です。学位と博士論文、修士論文のタイトルを書くだけなので特に困らないでしょう。大学の経験をEXPERIENCESに書くか、学歴のこの欄に書くか、そもそも書かないか、悩みます。僕は「AAAによってBBB」の形式でここに書きました。GPAを載せる場合もあります。スコアが高く、有名大学であれば効果があると思いますが、僕は有名大学でも無く、GPAもそれほど目立つものでは無かったため記載しませんでした。(特に日本の大学のGPAを記載されたところで、アメリカの面接官は困るのではないかなと思います)
  • AWARDS | 
    受賞歴です。ここも各1行で箇条書きにします。一意に定まり、また検索しても引っ掛かるようなワードが良いでしょう。あまり迷いませんでした。

小休止


頑張りました。ここまでを2ページで収まるようにして改ページします。改行では無く改ページで
す。3ページ目以降に業績を羅列しますが、採用側からするとウザいパートです。ここからはリスト
を作って機械的に並べるだけにします。自分ルールを決めて、規則正しく記載します。これが大事です。論文を査読したことがある方には分かると思うのですが、参考文献の記載方法が間違っていたり、統一感が無いととても不快になります。人間味が無いように並べることで、「ただ並べているだけで、もし良ければ検索してみてね!」ということをアピールします。

では、おまけ部分である3ページ目以降から4ページ目まで

  • PUBLICATIONS |
    僕の面接官側の経験からしても、3ページ目以降はほぼ見ません。見てくれる面接官は稀ですが、運が良ければ、ここで羅列したタイトルやトップジャーナルの学会名くらいは見てくれる可能性があります。さらに運が良いと論文検索とダウンロードまでしてくれるかも。
    この中でさらに
     - Full papers
    – International conferences
    – Other conferences
    – Patents
    の4つにに分けました。
    全体のバランスを見ながら査読があってもしょぼいものはOther conferencesに回します。多くが2行になってしまいました。研究者が心得ている参考文献の書き方、業界の慣習にもあわせます。僕はファーストオーサーじゃないものを含めることに抵抗があったのですが、別に良いみたいです。行が多いと栄えるので書きましょう。また、数が多くて4ページで収まらない場合は、セカンドオーサー以降は20件以上とかにしてばっさりと省略しました。ファーストオーサーは自分の名前だけを記載した後にイタリックで「et al.,」とし、セカンドオーサーのものはファーストオーサーと自分の名前の二つを書くようにしました。自分の名前には全て下線を引いて強調しましたOthersはインパクトの低い日本国内の学会とかです。もうセカンドオーサーのものを調べるのが面倒になったので(もうすでに体力を使い切って飽きていたのも理由です。笑)、〇〇係の学会でファーストオーサーとして〇〇件以上、と1行だけ書いて終わりにしました。短縮にもなるし良しとしよう!PATENTSは、すでに公開されている番号のみ。(未公開や現職の社内番号とかは絶対に駄目ですよ)日本公開なのか、日本登録なのか、国際出願なのか、国際登録なのかを書きました。これはGoogle Patentを使うと簡単にまとめることが出来ました。

振り返り


これらの戦略が有効だったのかを説明するために僕の戦歴を紹介します。GAFAの2社にCVを
送りました。
その内1社は「凄い興味あるので話を聞きたい!あれ?あなたはどこの国の人?VISA持って
る?」→ NGでした。質問しましたが、途中から返事は来ませんでした。永住権か市民権を既に
持っている人が最低ラインの職務だった様です。ちゃんと面接を受けることができたのは1社でしたが、会話まで出来たのは2社ですので、CV通過率は脅威の100%です!
また、この2社ではCVのSUMMARYだけを変えています。ほとんど似たような職種に申し込んでいるため、他の部分は変える必要がありませんでした。一度頑張って作ってしまえば、各社に流用できます。
また、僕は日本でも、アメリカでもエンジニアのCVをたくさん見てきましたが、我ながらこの戦略
は的を射ていると思います。他にもGoogle検索でたくさんのテンプレートが出てきますし、LinkedInでもCVを公開している人がたくさんいますので、それらも参考にしましょう。色分けを工夫する人も、1ページ目の左側にスキルセットを並べている人もいます。CVに正解はありませんが、他のものとも比較しながら自分が良いと信じる形に変えていきましょう。自分で苦労して書くことで、自分の頭の中が整理され、面接中でもスパっと回答できます。
また、もし採用が決まれば、VISAを取得します。取得要件の多くが既にこのCVに記載されているの
で、VISA取得の際にも参照することになりました。CV作成はなかなかの苦行ですが、一度作ってお
くとメンテナンスするだけでいろいろなことに流用できますし、何より転職活動の第一歩であり採用
の合否に大きく関係するのでモチベーションを高めて頑張りました。

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